日本初、本格派タンゴ楽団誕生!

Orquesta AurorAの新作、ここに登場Puerto a Puerto

 小松亮太が世に出て以来、日本の若いタンゴ・ミュージシャンが増えてきた。彼らは物怖じすることなく何度もブエノスアイレスに向かい本場のタンゴ界に向き合ってきた。

 で、そんなミュージシャンたちが集まり、本場と勝負できるようなグループを組んで、独自のタンゴを録音しようと言うことになった。

 それが去年の9月。乃木坂のソニー・スタジオはものすごい熱気に包まれた。

 オリジナルも含め、全12曲。すぐにアルゼンチンのたくさんのマエストロたちに視聴してもらうことに。

 評判は上々だった。アルゼンチン以外の楽団では、昔から日本の楽団のレベルは評判だった物の、ここまでとは思わなかった、と絶賛された。グループ名も「アウロラ」と決まり、6月にいよいよCD発売と、最初のコンサートを行うこととなった.....。

 いよいよ実力派のタンゴ楽団が、まず日本で本格始動する。 

Mensage de los Maestoros・巨匠からのメッセージ

 

彼女たちの作品を何年間かに渡り、聴く機会を得ているが、その度に演奏家として、またアレンジャー、作曲家として彼らの音楽が絶えず進化をしていることに驚く。アウロラの初アルバムも、滑らかで純粋、そして驚きに溢れた作品だ。... 私も彼らと同様の壁にぶつかってきた。消えゆく古い音を求めること、劣化した録音や、時には自らの気合いだけで失われていった音を探すこと。くだけてしまった歴史の破片を集め、時を遡り、古い言葉を学び直し、もう一度蘇生させる。アウロラは時間をかけ、この壁を乗り越え、結果何千キロもの文化的距離を飛び越えた....。

ラミーロ・ガジョ

 

あたかも大楽団の様な響きを奏でるセステート。美しいレパートリーに、鮮やかなアレンジが映える。特に「アディオス・ノニーノ」と「首の差で」の独創的なアレンジと、ソロ・パートでの演奏表現は特筆に値する。自信を持って推薦できるアルバムだ。この作品を完成させたアウロラの素晴らしい門出を祝って。

フェルナンド・スアレス・パス

 

アルバムを聴き、高い演奏技術とアーティスト性を兼ね備えたグループだと感じた。古典からオリジナルまで、こだわりの感じられる選曲も良い。アウロラは、間違いなく日本のタンゴの新しい世代を代表する存在だ。心からの祝福と、わたしたちの音楽である“タンゴ” を愛する気持ちに感謝したい。彼らが、今後素晴らしい活躍をするだろうと確信をもって言える。

ニコラス・レデスマ

曲解説

(試聴にはFlashPlayerが必要です。)

 

1. TODA MI ESPERANZA 

(私の希望のすべて…)
作曲・会田桃子 編曲・会田桃子

 日本人として日本に生まれ育った私たち。お味噌汁とお漬物を食べながら、富士山を見て育ち、ここに今も生活するミュージシャンが奏でる地球の裏側の「Tango」という音楽。ブエノスアイレスを訪れ、彼等の音楽に接し、流れる血液の違いを目の当たりにする度、私たちにしか出来ない日本人のTangoを創造することがいかに大切か、と考えさせられます。私のすべての希望を込めて、この曲を書きました。私たちのTangoが世界中の沢山の人達に届き、この想いがたった一人の人でも幸せな気持ちにする事が出来たら嬉しいです。

  

 

2. Los Mareados 

(酔いどれたち)
作曲・Juan Carlos Cobian 編曲・会田桃子

 プグリエーセやピアソラの素晴らしいアレンジを初めに、優れた編曲の多い人気曲、Los mareados。中間部のピアノソロの部分で青木菜穂子が素晴らしいプレイを見せてくれているのが聞き所!バンドネオンの二人も、弾きにくい(らしい)バリエーションを見事に弾きこなしてくれて、非常に満足な演奏が録れたと思います。

 

 

3. Flor de Lino

(亜麻の花)
作曲・Hector Stamponi 編曲・青木菜穂子

アルゼンチンのピアニスト作曲家、エクトル・スタンポーニによるワルツ・クリオージョ。今はもう去ってしまった恋人への気持ちを歌った詞がついているので、イントロは孤独な感じでヴァイオリン一本から入りますが最後は全員で華やかに締めくくります。

 

 

4. Adios Nonino

(アディオス・ノニーノ)
作曲・Astor Piazzolla 編曲・青木菜穂子

1959年最愛の父ビセンテ(愛称ノニ−ノ)の訃報を受けた夜、深い悲しみの中ひとりピアノに向かいこの壮大なレクイエムを書き上げたピアソラは常に自分に正直に創作を続けた。その作品は人の心を打ち感情を揺り動かす。

この曲の美しい旋律を聴く時音楽の持つ大きな力を感じます。

新しくCDを録音するにあたってメンバー1人1人の演奏を思い浮かべながら編曲しました。

 

 

5. La Triguita

(トリギータ)
作曲・青木菜穂子 編曲・青木菜穂子

BuenosAiresで使っていたピアノの上にはいつも愛猫ムギの写真が飾ってありました。ある朝電話で懐かしい声を聞いた時に思い浮かんだメロディーがこれです。軽やかで優雅な佇まいで約20年間変わらずただそこに居てくれた彼女が去年の夏の終わり静かに逝ってしまいました。曲名のTriguitaは“Trigo=小麦”から。愛情と感謝を込めて。

 

 

6. Mulkogi

(ムルコギ・물고기)
作曲・会田桃子 編曲・会田桃子

 韓国語で「魚(生きてる)」という意味であるが、会田が韓国で出会った”コウ サンジ”ちゃんというバンドネオン奏者に向けて捧げられた一曲。ムルコギ は、サンジが会田を招待した店「ムルコギ」の思い出を綴ったもので、彼女に捧げた作品である。

 

 

7. Bares

(バーレス)
作曲・青木菜穂子 編曲・青木菜穂子

 人が集まるBarやCafeteria。ブエノスアイレスに住んでいた頃、とにかく良く話し生き生きと感情を表に出すラテンの人々が面白く毎日のように出掛けていた。生きた音は生活の中にあり、音楽はそんな暮らしの中から生まれるように思います。私のイメージするBaresの喧噪をメンバー全員が完璧に表現してくれました。

 

 

8. Gricel

(グリセール)
作曲・Mariano Mores 編曲・青木菜穂子

 編曲する際に、初めて聴いた時の繊細で凛としたイメージをそのまま残したいと思いました。グリセルという実在の女性を想って作られたこの歌詞を後に知り、改めてこのメロディを作った作曲家の凄さを再認識しました。

 

 

9. Por una cabeza 

(首の差で)
作曲・Carlos Gardel 編曲・会田桃子

  非常に親しみやすいメロディーから大変に人気の高い一曲です。映画音楽やTVのCMなどでもしばしば使われるので、普段Tangoを聞かない方にも「聞いた事がある」と良く言って頂ける曲。もちろん、日本でもブエノスアイレスでも、この曲を演奏すると必ず喜んで頂ける、多くの人に愛される名曲です。

 

 

10. Esqueras

(エスケーラス)
作曲・Francisco de Caro 編曲・青木菜穂子

 一般的にほとんど知られていないこの曲、タンゴにはこんなに明るくて気品ある作品がたくさんあります。きっとこれからもこういう作品との出会いが多々あり、南米の音楽や街、そして人々に魅了され続けるのだと思います。

 

 

11. La cumparsita

(クンパルシータ)
作曲・Geraldo Hernan Matos Rodriguez 編曲・会田桃子

  今も昔も、Tangoと言えばこの曲、と代表されるような有名ナンバー、ラ・クンパルシータ。Jazzのナンバーに例えれば、「枯れ葉」に相当するArgentine Tangoの名曲ですが、ここぞとばかり会田テイストを盛り込みまくりなアレンジをしてみました。敢えてこの曲のみ、カルテートの編曲にしてあるのも、私のこだわりの一つです。デカロ以降のアルゼンチンタンゴの最も基本的な小編成で、どこまで歴史をリスペクトしつつ私たちにしか生み出せない新しいアレンジが出来るか…みたいな物をご理解頂けたら幸いです。

 

 

12. Candombe 400 

(カンドンベ400)
作曲・会田桃子 編曲・会田桃子

 この数年、私がTangoと平行して、World MusicやJazzの演奏にも取り組む中、「これだ!!」とばかりに光り輝いて存在を主張して来た「ウルグアイ」のパーカッションの音楽、カンドンベ。カンドンベとは、アルゼンチンやウルグアイに、アフリカから連れて来られた黒人達の生んだ、太鼓、リズムのみの音楽。現在は、ほぼウルグアイにしか残っていないと言える音楽で、三種類の大中小の太鼓が、決まった通りを仲間を呼びながら(彼等はまさにそれをllamdaと呼ぶ)行進、演奏する音楽だ。今回パーカッションは入っていないが、ゲストのベース奏者鳥越啓介氏に、アフリカンでジャジーなリズムを表現して頂けたと思う。最後に出て来るコーラス部分は、今回の参加メンバー全員によるもの。ここから更なる新しい日本人のジャンルを生み出せたら…なんて希望も込めて、違ジャンルな楽曲を敢えてこのメンバーでこのアルバムに録音してみたかった。

賛否両論、大歓迎。日本人会田桃子のフュージョンしたカンドンベを聞いて下さい!

 


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